これまでのお話

 これまでのお話 

対話サロンの歴史をひも解くことは、
実は女性用風俗の歴史を振り返ることでもあります。

レズ(ビアン)風俗の流行から
女風最盛期の現在までの流れと共に、
橘みつと対話型風俗・対話サロンの歴史を
どうぞご覧ください。


夜の世界とのつながり  
対話サロン イリアイの始まりは、2016年まで遡ります。
きっかけは、イリアイ主宰 橘みつが新卒入社後すぐに
精神疾患を理由に解雇されたことでした。

大学時代から、緊縛/フェティッシュサロンやハプニングバーといった
アンダーグラウンドな性の世界に親しみがあったことと、
療養しながら日銭を稼ぐ必要性から、夜の仕事につながります。

現在都内でコミュンケーションを主軸にした女性間風俗店を経営する橘みつさん。高校生の頃に同性を好きになったことをきっかけに大学でジェンダー論を学んだといいます。マ…
gendai.media
現代ビジネスオンライン


“レズ風俗” *との出会い  
当時SNSで話題を呼んだ漫画をきっかけに、
“レズ風俗”と呼ばれる業態があることを知ります。
大学時代はジェンダー・セクシュアリティを専攻していたので、
「レズビアンで金儲けするなんて、どんなものなんだろう」
という気持ちでしたが、知れば想像もし得なかった世界。

癒しを求めて利用してみたら、
自分を見つめなおすきっかけにさえなっている、というのです。

一流大学を卒業し、エリートとして新卒入社を果たしたにもかかわらず、双極性障害を理由に3カ月でクビになってしまった、橘みつさん(27)。銀座でホステスとして働いた…
telling.asahi.com
朝日新聞 telling,


*レズ風俗:女性キャストだけが在籍して女性客を接客する店の俗称
「レズ」はレズビアン女性への蔑視を増長する呼称である上に、
働き手のセクシュアリティがレズビアンのみである誤解を呼ぶことから、
近年は「女性用風俗」に統合されつつあるが、女性キャストが昨今
一般的に受け入れられている土壌を間違いなく作った。


対話の必要性を知る  
2017年ごろの女性向け風俗はまったく日の目を浴びず、
「一部の好事家だけが利用する 怪しいサービス」
と結論づけられていました。

その状況をじわじわ変えていったのが、
大阪や東京に出店する少数の“レズ(ビアン)風俗”です。
「みつ」として働きはじめると、女性たちには
怪しげな店にも縋る利用動機があることがわかってきました。

27歳の筆者は、都内で女性向け性風俗店を経営している。一般に「風俗」の使われ方は性欲解消以外の何ものでもないと考えられているが、少なくとも当店を予約する女性の動…
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現代ビジネスオンライン


対話型“レズ風俗”リリーヴ 開業  
「男性向け風俗をなぞった「かわいい・エロい・すっきり」を
重視した店づくりのままでは、女性たちに届かない」
という確信がつのり、独立を決意します。

利用に至ったその人の背景をしっかり聞いて
日常と非日常をつなぐ「対話型の風俗店」が誕生しました


ワークショップ開催と登壇  
信頼と知名度をupさせるため、さまざまな場で
女性が「性」について安全に話せる機会を作ってきました。

きちんとルールがあって主催者が場を見ていれば、
たとえ初対面の人とでも気まずくならずに
真面目に・楽しく・安全に「性」の話ができる。

参加者にも橘みつにも、そんな成功体験が生まれた2年間でした。

《 開催実績 》
・女性のセックスとレズ風俗を語る会(自主企画)
これからの「セックス」の話をしよう
 (Tokyo Rainbow Pride 関連イベント)
セックスワークサミット 2018 秋大会
 (一般社団法人ホワイトハンズ 主催)



キャスト採用  
当時の女性向け風俗はまだ顧客ニーズが曖昧だったこともあり、
男性向けと比較して“ラクなお小遣い稼ぎ”と考え参入する人や
「予約があればラッキー」で運営する店も多い時代でした。

「お客様の人生のきっかけにもなるような時間を提供する店」
「キャストもお客様を通じて自身の変化を感じる店」
を目指してキャスト募集を開始。
お客様との時間に本気で向き合い、その方がつむぐ背景を
心から大切に想えるキャストだけを採用しました。


著書の上梓  
2020年5月、COVID-19 流行による緊急事態宣言のさなか、
『レズ風俗で働くわたしが、他人の人生に本気でぶつかってきた話』
を河出書房新社から出版しました。

対話型“レズ風俗”の誕生までとお客様との関わりを、
プライバシーに配慮しつつ私小説の形式で記しています。

23歳で仕事も行き場も失くした著者が、自分の体と心を使い、お客さんが前に進むための「きっかけ」を一緒に探すうち、自身も自分を信じて頑張れるようになった日々―。現…
www.kinokuniya.co.jp
紀伊国屋書店 web


オンラインコースの設置  
感染の不安から「夜の街」は凄まじいバッシングの対象になりました。
外出自粛も促される中で、息苦しい日常をやり過ごすために
オンラインコースの設置を思いついたのはこの時です。

時間と場所に都合をつけやすいこのコースは、
国内外の遠方の人や事情がある方、急に話したくなったときに
ご利用いただいています。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、風俗を含む多くの水商売は自粛対応を求められている。わたしがオーナー兼キャストを勤めている対話型レズ風俗 Relieve〜リ…
gendai.media
マネー現代


執筆と取材  
現代ビジネスオンラインを中心として、
人とのつながりをテーマに取材・執筆に取り組みました。

また、ABEMA TV や YouTube などweb系への出演
雑誌や地上波テレビの取材など、
さまざまな発信活動をさせてもらいました。



“女風”全盛期の到来  
感染対策と娯楽需要の共存が後押ししたこともあり、
“女風”と呼ばれる男性キャストが中心の女性向け風俗店が
またたく間にブームとなりました。

女性もカジュアルに性サービスが利用できるようになった
一方で、法令違反の行為や性被害の報告も増加しました。

利用客とセラピスト/キャストの対立が深まるかたわら
顧客獲得のための過度な無償労働や、入店時に研修費として
多額の支払いを求められる登録料ビジネスなど働き手の抱える
課題も多く、現場と経営層の問題も深刻化していきます。

リリーヴの軸である「対話」は安心や信頼が最も重要です。
風俗業界で継続すべきか悩む場面が増えてゆきました。


対話サロン イリアイ へ移行  
「風俗の看板を返す時がきた」という結論を出し、
サービス内容は変えないまま
「対話サロン」という名称に変更しました。

服を脱ぎ、触れあってはじめて話せることがある
という経験を重ねたからこそ、
性サービスやスキンシップのコースこそが
対話サロンにとっても重要であると断言します。


一緒に働いてきたキャスト達とは解散しましたが、
イベントのお手伝いやWキャスト予約というかたちで
今もゆるくつながり続けています。

 これまでのお話 

対話サロンの歴史をひも解くことは、
女性用風俗の歴史を振り返ることでもあります。

レズ(ビアン)風俗の流行から
女風最盛期の現在までの流れと共に、
橘みつと対話型風俗・対話サロンの歴史を
どうぞご覧ください。


夜の世界とのつながり  

対話サロン イリアイの始まりは2016年まで遡ります。
きっかけはイリアイ主宰 橘みつが、新卒入社後すぐに精神疾患が理由で解雇されたことでした。

大学時代から、緊縛/フェティッシュサロンやハプニングバーといったアンダーグラウンドな性の世界に親しみがあったことと、
療養しながら日銭を稼ぐ必要性から、夜の仕事につながります。

現在都内でコミュンケーションを主軸にした女性間風俗店を経営する橘みつさん。高校生の頃に同性を好きになったことをきっかけに大学でジェンダー論を学んだといいます。マ…
gendai.media
現代ビジネスオンライン


“レズ風俗” *との出会い  

当時SNSで話題を呼んだ漫画をきっかけに、“レズ風俗”と呼ばれる業態があることを知ります。

大学時代はジェンダー・セクシュアリティを専攻していたので、
「レズビアンで金儲けするなんて、どんなものなんだろう」
という気持ちでしたが、知れば想像もし得なかった世界。

癒しを求めて利用してみたら、
自分を見つめなおすきっかけにさえなっている、というのです。

一流大学を卒業し、エリートとして新卒入社を果たしたにもかかわらず、双極性障害を理由に3カ月でクビになってしまった、橘みつさん(27)。銀座でホステスとして働いた…
telling.asahi.com
朝日新聞 telling,


*レズ風俗:女性キャストだけが在籍して女性客を接客する店の俗称
「レズ」はレズビアン女性への蔑視を増長する呼称である上に、
働き手のセクシュアリティがレズビアンのみである誤解を呼ぶことから、
近年は「女性用風俗」に統合されつつあるが、女性キャストが昨今
一般的に受け入れられている土壌を間違いなく作った。


対話の必要性を知る  

2017年ごろの女性向け風俗はまったく日の目を浴びず、
「一部の好事家だけが利用する 怪しいサービス」と結論づけられていました。

その状況をじわじわ変えていったのが、
大阪や東京に出店する少数の“レズ(ビアン)風俗”です。

「みつ」として働きはじめると、女性たちには
怪しげな店にも縋る利用動機があることがわかってきました。

一流大学を卒業し、エリートとして新卒入社を果たしたにもかかわらず、双極性障害を理由に3カ月でクビになってしまった、橘みつさん(27)。銀座でホステスとして働いた…
telling.asahi.com
朝日新聞 telling,


対話型“レズ風俗”リリーヴ 開業  
「男性向け風俗をなぞった“かわいい・エロい・すっきり”を重視した店づくりのままでは、女性たちに届かない」
という確信が重なり、独立を決意します。

利用に至ったその人の背景をしっかり聞いて
日常と非日常をつなぐ「対話型の風俗店」が誕生しました


ワークショップ開催と登壇  

信頼と知名度をupさせるため、
さまざまな場で女性が「性」について安全に話せる機会を作ってきました。

きちんとルールがあって主催者が場を見ていれば、
たとえ初対面の人とでも気まずくならずに
真面目に・楽しく・安全に「性」の話ができる。


参加者にも橘みつにも、そんな成功体験が生まれた2年間でした。

《 開催実績 》
・女性のセックスとレズ風俗を語る会(自主企画)
これからの「セックス」の話をしよう
 (Tokyo Rainbow Pride 関連イベント)
セックスワークサミット 2018 秋大会
 (一般社団法人ホワイトハンズ 主催)



キャスト採用  

当時の女性向け風俗はまだ顧客ニーズが曖昧だったこともあり、
男性向けと比較して“ラクなお小遣い稼ぎ”と考え参入する人や
「予約があればラッキー」で運営する店も多い時代でした。

「お客様の人生のきっかけにもなるような時間を提供する店」
「キャストもお客様を通じて自身の変化を感じる店」
を目指してキャスト募集を開始。

お客様との時間に本気で向き合い、その方がつむぐ背景を
心から大切に想えるキャストだけを採用しました。


著書の上梓  

2020年5月、COVID-19 流行による緊急事態宣言のさなか、
『レズ風俗で働くわたしが、他人の人生に本気でぶつかってきた話』
を河出書房新社から出版しました。

対話型“レズ風俗”の誕生までとお客様との関わりを、プライバシーに配慮しつつ私小説の形式で記しています。

23歳で仕事も行き場も失くした著者が、自分の体と心を使い、お客さんが前に進むための「きっかけ」を一緒に探すうち、自身も自分を信じて頑張れるようになった日々―。現…
www.kinokuniya.co.jp
紀伊国屋書店 web


オンラインコースの設置  

感染の不安から「夜の街」は凄まじいバッシングの対象になりました。

外出自粛も促される中で、息苦しい日常をやり過ごすためにオンラインコースの設置を思いついたのはこの時です。

時間と場所に都合をつけやすいこのコースは、
国内外の遠方の人や事情がある方、急に話したくなったときにご利用いただいています。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、風俗を含む多くの水商売は自粛対応を求められている。わたしがオーナー兼キャストを勤めている対話型レズ風俗 Relieve〜リ…
gendai.media
マネー現代


執筆と取材  

現代ビジネスオンラインを中心として、
人とのつながりをテーマに取材・執筆に取り組みました。

また、ABEMA TV や YouTube などweb系への出演
雑誌や地上波テレビの取材など、
さまざまな発信活動をさせてもらいました。



“女風”全盛期の到来  

感染対策と娯楽需要の共存が後押ししたこともあり、
“女風”と呼ばれる男性キャストが中心の女性向け風俗店がまたたく間にブームとなりました。

女性もカジュアルに性サービスが利用できるようになった一方で、法令違反の行為や性被害の報告も増加しました。

利用客とセラピスト/キャストの対立が深まるかたわら、
顧客獲得のための過度な無償労働や、入店時に研修費として多額の支払いを求められる登録料ビジネスなど、
働き手の抱える課題も多く、現場と経営層の問題も深刻化していきます。

リリーヴの軸である「対話」は安心や信頼が最も重要です。
風俗業界で継続すべきか悩む場面が増えてゆきました。


対話サロン イリアイ へ移行  

「風俗の看板を返す時がきた」という結論を出し、サービス内容は変えないまま
「対話サロン」という名称に変更しました。

「服を脱ぎ、触れあってはじめて話せることがある」という経験を重ねたからこそ、
性サービスやスキンシップのコースこそが
対話サロンにとって重要であると断言します。


一緒に働いてきたキャスト達とは解散しましたが、
イベントのお手伝いやWキャスト予約というかたちで今もゆるくつながり続けています。